ワキガ治療 剪除法
(皮弁法)
ワキガの再発率が低く、効果的だが、傷跡が目立つ方法
剪除法では、ニオイのもとのであるアポクリン汗腺を切除するため、ワキの下の皮膚を切開します。
切開したところから皮膚を反転させ、アポクリン汗腺をハサミで切除します。
目視で裏から切除する手術ですので、再発率が低く、効果の高い治療法です。
治療法
ワキの下を、4~5cm切開します。そこから皮膚を剥がして反転させます。
皮下にあるアポクリン汗腺をハサミで切除します。
治療に向いている方
メリット |
デメリット |
メリット |
- 改善効果が高い。
ワキガの元となる細胞を医師が目で見て切除するので効果が大きい。
- 切開によるアポクリン汗腺の確認。
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デメリット |
- 切開が大きいので傷跡が残る。
質感の悪化、拘縮などが残る可能性がある。
- 手術時間が長い(1時間半~2時間)
目視で手術を行うため、時間がかかる。
- ダウンタイムが長い
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治療の流れ
step1
カウンセリング
医師により、充分なカウンセリングを行います。
その上で効果と副作用のバランスを考えながら最も適した治療法を決めていきます。
step2
マーキング
皮膚の切開線や汗腺を除去する範囲のマーキングを行っていきます。
step3
麻酔
手術箇所に局所麻酔を行います。静脈麻酔を併用します。
step4
手術
切開腺を4~5cmとり皮膚を反転させ直視下に汗腺を除去していきます。
汗腺の除去後、切開部を縫合します。剥がした皮膚が浮かないように皮下組織と皮膚を関連付けた縫合固定をします。ドレーンを挿入します。


step5
術後(当日)
皮膚がしっかりとくっつくようにガーゼを厚く当て、テープで圧迫し創部を固定します。
当日は出来るだけ安静を保ち、ワキに負担がかからないようにしてください。
当日は、シャワー・入浴が出来ません。
step6
術後(当日以降)
翌日からは傷を擦らなければ、シャワーは可能。
腫れ・内出血・軽い痛みが2週間程度気になる場合があります。また、赤味・色素沈着・皮膚の硬さ・引きつり感がしばらく続きます。
治療を受けられない方
- 妊娠中の方・妊娠の可能性のある方
- 術後すぐに肉体労働をしないといけない方
- 血が止まりにくくなる薬、血液をさらさらにする薬を服用されている方
- これまでに麻酔薬でアレルギーなどの問題の起きた方
- 肩が挙がらない方
リスクについて
- 麻酔薬に対するアレルギーなどの異常反応
- 内服による薬疹・胃部不快感・下痢などや軟膏によるかぶれが出ることがあります。
- 術後出血:出血して腫れた状態になると痛みや広範囲な出血斑を生じます。
- 手のむくみ:ワキの圧迫で一時的に生じることがあります。
- 疼痛・知覚異常:ワキから手指・上腕にかけて疼痛・知覚低下・知覚過敏が一時的に生じることがあります。
- テープかぶれ:皮膚に発赤・水疱・色素沈着を生じることがあります。
- 漿液腫:術後少し経ってから黄色い透明な液が皮下に溜まることがあります。
- 皮膚の血行障害:肌質や手術範囲が広い、術後出血した、再手術であるなどや喫煙や肥満体形によって皮膚に血行障害が起きると、
水疱・表皮剥離・皮膚潰瘍・傷が開くなどが生じるリスクがあります。
- 創感染:細菌感染して化膿する状態
- 皮脂の貯留、毛包炎、囊腫形成(感染すると皮下膿瘍)を生じることがあります。
- 皮下硬結:皮下が部分的に、あるいはスジ状に硬くなることがあります。
- 拘縮:皮膚にシワが寄って硬くなり、突っ張り感が出ることがあります。
- 肥厚性瘢痕:傷跡が赤く硬く盛り上がることがあります。
- 色素沈着:術前からある場合や体質によっては残ることがあります。
- 代償性発汗:多汗症を伴っている場合、術後に他の部位からの汗の量が増えることがあります。
- 思春期早期でワキ毛がまだ生えそろっていない状態で手術する場合、術後にワキ毛の成長と共にアポクリン汗腺が再び発達し、
腋臭が再発することがあります。ニオイが強ければ再手術が必要になります。
- 効果・実感には個人差があります。
よくある質問
- ワキガ治療をすると脱毛効果があるって本当ですか?
- ワキガ治療では、あくまでもアポクリン汗腺(臭いの原因汗腺)を除去します。ワキガ手術でいくらかは減毛しますが、きちんと脱毛をしたい方は、レーザー脱毛を受けた方がキレイで効果もあります。
- 腕が動かなくなったりしないかとても心配です。
- 術後に圧迫固定をする関係で腕が一時的に上がりづらくなりますが、固定解除後は若干引きつる感じがしますが徐々に解消されます。
- 手術後の傷は、何ヶ月くらいから目立たなくなりますか。
- 術後3~6ヵ月くらいかけて線状の傷跡となり目立たなくなります。
- 手術後、突然体質が変わることはあるのでしょうか。
- (ワキガ体質と理解して)体質は変わりませんが、ワキガの汗腺が取り除かれるので臭いはしなくなります。
- 手術をしたことはありますが完治していません。再度手術はできますか。
- 再手術は可能です。残っているワキガの汗腺を取り除かないと症状は改善されません。一度診察にいらしてください。
- ニオイは完全になくなりますか?
- 皮膚の裏側に存在するアポクリン汗腺を除去しますが、ごく一部が真皮内に残ることや皮脂腺から分泌される皮脂の臭いが残るため、臭いが完全になくなるわけではありません。
- 多汗症にも効果がありますか?
- 水汗をかくエクリン汗腺の働きも弱くなってワキ汗が減る効果も期待できます。
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